もんきちです!
TVドラマでも鉄板の人気を誇る医療現場をテーマにした作品。
この記事では、医師を主人公とし、医療現場のリアルを読める漫画作品を紹介していきます。
漫画好きで、本のバイヤーを経験した僕が今まで読んだ中から、
厳選した10作品をご紹介していきます。
現在は医学メディアにて医療情報を発信する仕事もしているので、
医療に関するちょっとした情報も盛り込んでいきたいと思います。
是非、最後までご覧になってください。
① 医療をテーマにした作品が好きな方
② 漫画が好きな方
③ 医師や、医療現場のリアルを漫画を通じて楽しく読みたい方
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研修医が主人公のおすすめ医療漫画
医師の世界では、法律上医師免許取得後、2年以上の臨床研修が義務付けられています。
その期間の医師を「研修医」と読んでいます。
まずは、研修医が主人公となるおすすめ漫画から紹介していきます。
①『ブラックジャックによろしく』
2002年に『モーニング』で連載開始となり、
2003年にはTVドラマ化もされた大人気作です。
研修医である主人公斉藤英二郎が、自分の理想とは大きくかけ離れた、
日本の医療制度、医療現場の実態に苦悩、葛藤しながらも奮闘し、
日々成長していく姿を描いたストーリーです。
連載当時と現在と状況は違うとはいえ、
研修医時代の給与体系や、過酷な労働環境はかなりリアル。
コロナ禍の現代においても注目されている日本の医療制度・現場を知るという意味でも
とても興味深い作品だと思います。
2007年には『ビッグコミックスピリッツ』に電撃移籍し、
続編も連載しています。
②『研修医なな子』
続いては、『YOU』などの女性コミック誌で連載され、
1997年にTVドラマ化もされた作品です。
森本梢子先生は、『ごくせん』や『アシガール』の作者としても有名ですね。
大学付属病院の研修医であるなな子が
大変な思いをしながらも懸命に一人前の医師を目指す過程を描く作品です。
医師がどのように教育・養成をされていくのかというその過程を
ショートストーリーで展開されていくので、とても読みやすいです。
登場人物も個性的かつコメディタッチでもありますので、
手軽に読めつつ、医療現場のリアルも知れる一石二鳥の漫画です。
各診療科医師が主人公のおすすめ医療漫画
続いては、各診療領域の医師が主人公として活躍する作品を紹介していきます。
③『コウノドリ』
2012年に『モーニング』で連載開始となり、
2015年にドラマ化もされた作品です。
作者の鈴ノ木ユウ先生が奥様の出産に立ち会って感動し、
生命の誕生やそれに伴う困難をきちんと伝えたいという思いから
生まれた作品です。
主人公の鴻鳥サクラは産科医ですが、これは実際に先生の奥様がお世話になった、
実在の医師がモデルになっているそうです。
生命の誕生という感動の瞬間だけではなく、
その過程で起きる問題、哀しみ、苦悩など産科現場に起きる実態もリアルに表現されており、
医療従事者からも大変評価の高い漫画です。
『命』に関して改めて深く考えさせられる作品です。
感動作品を読みたい方にも産婦人科現場のリアルを知りたい方にもおススメです。
④『医龍』
続いては『ビッグコミックスペリオール』で連載されていた作品。
こちらも2006年にTVドラマ化されています。
天才的な技術を持つ外科医・朝田龍太郎は、
医療支援NGOで「医龍 (Team Medical Dragon)」と呼ばれた
伝説の医療チームを率いるほどの、世界でも指折りの救急医療の腕を持っていた。
しかし、かつての上司や同僚からの反発にあい、
全国の病院に朝田を受け入れないように通達が行き渡り、
日本に帰国した彼を受け入れる病院はなかった。
引用元:Wikipedia
主人公の朝田龍太郎は天才外科医。
NGOで途上国の多くの命を救うなど活躍するものの、
帰国後彼を受け入れる病院はありませんでした。
そんなある日、大学教授に誘われて医師として復帰することになるのですが…
医師としての権力争いや、大学病院の古い体質を
朝田がその実力や周囲を巻き込む力によって改革していく面白さがあります。
この作品の原案は医師かつ医療ジャーナリストである永井明先生。
それがゆえに、診療科間における院内の対立構造や、日本特有の医局制度などの
日本の医療制度への疑問点をリアルに表現しています。
現場のリアルを知るという意味ではうってつけの作品だと思います。
⑤『麻酔科医ハナ』
続いては、手術には基本的に必要になる「麻酔」。
この麻酔を専門に行う「麻酔科医」を主人公にした作品です。
主人公の華岡ハナ子は研修医期間を終えたばかりの新米麻酔科医。
過酷かつ、「ミスしなくて当たり前」というプレッシャーと常に戦いながら、
成長していくハナの物語です。
麻酔ってとても重要な過程なのですが、どうしてもスポットライトを浴びるのは、
手術を実施した外科医になってしまう状況。
人が少なくて、麻酔科医の業務量がどうしても過多になる状況など、
医療現場のリアルが表現されています。
またそんな過酷な環境にいながらもハナの性格やコミカルなタッチもあり、
手軽に医療現場のリアルを読める作品となっている思います。
⑥『フラジャイル』
続いては、「病理医」が主人公のこの作品です。
2016年にTVドラマ化もされました。
病理医とは、病気を確定診断するために、
患者の細胞、血液、尿などを分析し、診療している医師に報告する医師です。
直接患者に接する機会はほとんどなく、検体(細胞など)から
病状の判断を実施するという結構重たい役割を担っている医師になります。
実際の世界では一般書でもヒット作を出している、
仲野徹先生(大阪大学大学院 教授)や市原真先生(通常ヤンデル先生)が有名ですね。
本作の主人公岸京一郎は変人と言われながらも、
腕は確かな敏腕病理医。時には担当医と揉めることもありますが、
患者に起きていることを徹底的に分析し、確定診断につながる結論を出していきます。
あまりなじみのない病理医の世界を知ること。
一人の患者の確定診断をするために多くの医療従事者が関わっていることを
認識できる良い作品だと思います。
⑦『Dr.DMAT~瓦礫の下のヒポクラテス~』
災害医療派遣チーム、通称DMATをテーマにした作品です。
2014年にTVドラマ化もされました。
主人公の八雲響は血が苦手な内科医。
そんな彼が急遽DMATに所属することになります。
響は災害現場の過酷な環境の中、「命の選択」をするプレッシャーと戦います。
基本的な医療は「すべての命を救う」が原則だと思いますが、
災害医療はどうしてもそれが困難。
「できるだけ多くの命を救う」ための命の選択を迫られます。
コロナ禍においても、「トリアージ」が議論されていますが、
医療現場のリアルという意味において知っておきたいし、
考えたいテーマであると思います。
医療現場のリアルを知る作品としても、ヒューマンドラマ作品としてもおすすめです。
⑧『Shrink~精神科医ヨワイ~』
ストレス社会になり、自殺者も増えている日本においても
注目が集まっている、精神科医が主人公の作品です。
主人公弱井先生は一見頼りなさそうではあるのですが、
患者への寄り添い方が素敵。ツンデレ看護師とのコントラストも面白い。
登場する患者も、PTSDに悩むSEだったり、うつ病になってしまう頑張り屋の雇われ店長だったり、
セクハラに悩む声優だったり・・・
現代の日本を投影した患者の世界観がとてもリアルです。
純粋な漫画作品としても、精神疾患現場のリアルを考えるという意味でもおススメの作品です。
⑨『19番目のカルテ』
現在、診療科は18つに分かれていますが、
地域医療の促進や、かかりつけ医の推進を進めていく中で、
専門領域だけというよりも、総合的に患者の診療を実施する、
「総合診療」という考え方が近年生まれてきています。
この作品は理想と現実のギャップに悩んでいた、
整形外科医・滝野が総合診療医である徳重との出会いをきっかけに、
そんな「総合診療医」を志す姿を描く作品です。
患者に寄り添い、問題の根源を見つける、
必要に応じて専門医への架け橋へとなる。
世界的にも、開業医の占有が高い我が国において、
今、日本の医療が目指す姿を見ることができる漫画だと思います。
⑩『がんばれ!猫山先生』
医師向け専門雑誌『日本医事新報』(週刊誌)にて連載されている4コマ漫画です。
『日本医事新報』は創刊100年の歴史を誇り、開業医や大病院の医局など、
国内最大級の定期購読数を誇っている雑誌です。
作者の茨木先生は、『Dr.コトー診療所』『コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』などの、
TVドラマ化における監修もされた、医師です。
内容としては、医師版『コボちゃん』と言えばわかりやすいでしょうか。
医療における時事ネタが4コマで爽快に展開されていきます。
医療現場あるあるが多く、毎週のこの作品の連載を
楽しみにしている医師がいるなど、医療現場で人気が高い作品です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
多数の医療漫画の中から、ストーリーが面白いことはもちろんのこと、
医療現場の実態を見る、知るという観点から厳選をしました。
日々、我々のために奮闘してくださる医療従事者の皆さんに感謝をしつつ、
どんな苦労があるのかを知る意味でも、一度読んでみてはいかがでしょうか。
いずれも本当に面白くて勉強になる作品です。
少しでも参考になれば、幸いです。
別記事では、医師以外の医療従事者を主人公にした作品も紹介しておりますので、
そちらもご覧いただけると嬉しいです。
終わります。