もんきちです!
突然ですが、出版業界というとどんなイメージがありますか?
ファッション誌、週刊誌、マンガの編集のような華やかであったり、面白そう!みたいなイメージを持たれている方が多いんじゃないかと思います。
この記事では、出版業界で気づいたら約20年働く僕が、出版業界を舞台にしたおススメ漫画をご紹介していきたいと思います。
多くの人が持つ華やかな仕事から、泥臭かったり、ある種出版業界のダークな部分を取り上げたものまで読んでみるといずれも面白い作品です。
最後には番外編で1つ書籍もご紹介したいと思います。
楽しい漫画を探している方はもちろんのこと、出版業界に興味がある!という方も是非ご覧くださいね。
① 出版業界の仕事に興味のある人
② 出版業界をテーマにした漫画に興味がある人
③ マンガ好きの人
出版社が舞台のおススメ漫画
出版業界と言えば、出版社、編集者だったり記者というイメージが強いかと思います。まずは王道の大手出版社編集部を舞台にした3作品からご紹介をしていきます。
①『バクマン。』
国民的人気少年漫画誌である『少年ジャンプ』の編集部、連載漫画家がテーマの作品です。
この作品に関しては、別記事でもご紹介しておりますので、是非そちらもご覧ください。
【あらすじ】
2008年、舞台は埼玉県谷草市。中学3年生の真城最高(サイコー)は高い画力がありながらも将来に夢を持たず、ただ流されて普通に生きていくだけの退屈な日々を送っていた。サイコーの叔父はかつて週刊少年ジャンプに連載し、その作品がアニメ化もされた漫画家・川口たろうで、連載打ち切り後の過労によって亡くなった過去があった。
ある日サイコーは些細な出来事を切っ掛けに、秀才のクラスメイトで作家志望の高木秋人(シュージン)に「俺と組んで漫画家にならないか」と誘われる。初めはその誘いを断っていたが、声優を目指している片思いのクラスメイト・亜豆美保と「アニメ化したら結婚する、それまで互いに直接会わない」と約束した事から漫画家への道を志す事になる。
出典:Wikipedia
漫画家視点で話が進んでいくのですが、登場人物や舞台など完全に『少年ジャンプ』編集部のそれです。
実際の『ジャンプ』という媒体の日常、どんな方針であの雑誌が完成していくのかなど、『少年ジャンプ』ファンにも興味深い内容。
漫画家が主人公という点においても斬新で、ストーリーも面白い。
そして、『少年ジャンプ』王道のエッセンスが随所に。
一見華やかな人気漫画雑誌編集部であったり、連載漫画家のリアルがわかります。
②『重版出来』(じゅうはんしゅったい)
続いては、『月刊!スピリッツ』という、『ビッグコミックス』の増刊扱い雑誌で連載中のこの作品。
TVドラマ化もされ、話題になりましたね。
『重版』とは商品発売後、売れ行き好調で初回出荷分が売り切れ。
まだまだ売れると出版社が判断した際に、同じ商品を追加で印刷、発売することを言います。
初回出荷分を「初版」以降を「2刷」「3刷」・・・てな感じです。
『出来』は厳密には「しゅったい」と読みますが、今は「じゅうはんでき」ということがほとんどですね。
ドラマ放映時は「しゅったい」というのが流行りましたが(笑)
雑誌を除いた本の最終ページあたりに、発行元情報などが記載されていることがありますが、そこに「初版」発行日の記載が必ずあります。
売れている本はその後の重版の推移も載っていますので、気になる方は是非一度見てみてください。
超ロングで売れるタイプの絵本なんかはとんでもなく重版を重ねています。
商品選びのポイントの一つに「重版」回数を入れてもよいくらいかもしれません。
【あらすじ】
幼いころから柔道に打ち込んできた主人公・黒沢心。オリンピック日本代表の呼び声も高かったが、怪我がもとで選手生命を絶たれたため柔道から退き、就職を決意した。大手出版社・興都館の就職試験を受けた志望動機は、子どものころに柔道を扱った漫画を胸を熱くして幾度も読み返し、それがきっかけで柔道を始め、情熱を傾ける青春を送れたことが何より大きい。かつて自分がそうであったように、読者が“何か”を得るような「漫画」を作りたいと熱意を語り、採用される。入社後、週刊コミック誌『バイブス』編集部に配属され、編集者として歩き出す。
出典:Wikipedia
こちらも『バクマン。』同様、週刊のコミック誌編集部が舞台となっています。
一方で、この漫画では、本を作るだけではなく、商品を宣伝する、売る立場の「営業」。
そして、実際に現場で商品を売る「書店員」。
商品をする際にやり取りを必ずする、「印刷会社」の人達が出てくるのがポイント。
本を作るところから、売れていくまでの大まかな流れが描かれていて、
ある種大手出版社の仕事の流れが見える作品ではないでしょうか。
1つの商品にさまざまな立場の人が関わって出来上がり、流通され、売れていく。
出版業界の日常の魅力あるストーリーを楽しみながら読むことができます。
③『働きマン』
続いては、『モーニング』で連載され、これまたTVドラマ化されたこの作品。
こちらは、『週刊現代』の編集部がモチーフになっています。
『バクマン。』は集英社。『重版出来』は小学館。そしてこの『働きマン』は講談社。
この3作品を読むことでで3大出版社と言われる各社の様子がなんとなーくわかります。
【あらすじ】
松方弘子は28歳で独身。そして、週刊『JIDAI』編集部の女性編集者である。弘子は編集長・上司・同僚たちと一緒に右往左往しながらも良い雑誌を作るために日夜奮闘する。寝食を忘れ、恋人との逢瀬もままならず、ジレンマに悩み、誰かとぶつかり…。それでもいい仕事をするために、弘子は職場で、取材で、そして自宅で、「働きマン」になる。
出典:Wikipedia
ハードと言われる、週刊誌編集部。そんな職場で奮闘する弘子にみんな涙。
華やかなイメージとは真逆のハードな職場がある種リアル。
今では文春砲が取り沙汰されることが多いですが、
ジャーナリストとは?週刊誌の存在意義は?の葛藤がとてもよく描かれています。
TVドラマの菅野美穂さんが超はまり役!
納豆巻きを食べる菅野美穂さんがかわいくて、かわいくて・・・良い思い出です。
中小出版社・書店が舞台のおススメ漫画
続いては、小さな出版社や書店などにスポットを当てた漫画を紹介していきます。
④『重版未定』
先ほどの『重版出来』とは違い、『未定』なのです。このコントラストよ。
規模が変わればこんなに変わるのかというくらい、環境変化がすごい。
中小出版社に勤務する編集者を主人公にした話です。
大手出版社では編集、営業など、相当社内で分業化がされていますが、日本の出版社の半分以上は従業員数が10人以下と言われています。(3,000~4,000社くらい出版社はあるといわれています)
そんな会社ですと、編集だけをしているわけにはいかず、
書店営業、取次(本の問屋のようなものです)営業などもこなす必要があります。
ある種、出版業界の生々しい姿が垣間見える作品です。
出版業界のイメージがガラッと変わるかもしれません。
⑤『ガイコツ書店員 本田さん』
最後は少し変わり種のこの作品。
書店を舞台としたコメディタッチの作品です。
作者本田さんは書店員経験者。書店時代に本当にあった話を作品内では、ご本人がガイコツ姿の書店員となって面白おかしく再現していきます。
内容としては、経験者でないとわからない話が多々出てきます。
書店員あるあるみたいな感じですかね。
お客さんの立場から読んでも楽しく読める1冊だと思います。
番外編 「本を作る」がテーマのおすすめ書籍
最後に書籍になりますが、出版業界を楽しむという意味においておススメの書籍を1つ紹介させてください。
『舟を編む』
2012年に全国の書店員による投票によって
「今売りたい本」を決める『本屋大賞』を受賞し、その後映画化、アニメ化もされた作品です。
【あらすじ】
出版社・玄武書房では中型国語辞典『大渡海』の刊行計画を進めていた。営業部員の馬締光也は、定年を間近に控えて後継者を探していた辞書編集部のベテラン編集者・荒木に引き抜かれ、辞書編集部に異動することになる。社内で「金食い虫」と呼ばれる辞書編集部であったが、馬締は言葉への強い執着心と持ち前の粘り強さを生かして、辞書づくりに才能を発揮してゆく。
出典:Wikipedia
いまだとあまり家でも見なくなっていましたが、辞書の編集に関わる人たちを描いた作品。
多数の人が一つの辞書を介して繰り広げていくストーリーがとても面白く、
辞書編集の世界もわかる1冊です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
外から見るとわりと華やかなイメージの出版業界。
確かに華やかな部分もありますがそうでないことも多々あります。
というより、地味な仕事が結構多いです。
出版業界で働いてみたい!という方は是非今回ご紹介した作品を
一読されると出版業界で働くイメージがつかめると思います。
ストーリー自体もいずれも面白いので、マンガ好きの方にもおススメできる作品です。
少しでも参考になれば嬉しいです。
別記事では医療現場が舞台のおすすめ漫画をご紹介しています。
是非そちらもご覧いただけると嬉しいです。
終わります。